ネットがつながらない時の対処法|自分でできる原因の切り分けと再起動

ネット光回線 公開:2026-05-17 更新:2026-08-19 読了 約 27 分

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つながらない最初の30秒でやること

動画が止まる、メールが送れない、ビデオ会議で「接続が不安定です」と出る——ネットが落ちると、つい「故障した」「もう一度契約し直しか」と最悪を想像してしまいます。けれど現場の感覚で言えば、家庭のネット不通の大半は、機器のどこかが一時的に固まっているか、線がわずかに緩んでいるか、回線側で一時的な障害が起きているかのいずれかです。修理や買い替えが必要なケースは、思っているよりずっと少ない。

だからこそ、最初の30秒は「原因を当てにいく」のではなく、状況を観察して切り分けの材料を集める時間に使うのが正解です。具体的には、つながらないのが1台だけか家中全部か有線でもダメか無線だけか、そして機器のランプがいつもと違う表示になっていないか。この3点を見るだけで、原因の置き場所がぐっと絞れます。慌てて電源を何度も抜き差ししたり、設定をいじり始めたりするのは、その観察を終えてからで遅くありません。

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この記事は特定の回線・プロバイダの宣伝ではなく、どの光回線・どのルーターでも共通して効く「自分でできる切り分けと対処」をまとめたものです。機器ごとの細かいランプの意味や操作手順は、お使いの機種の取扱説明書や各社公式サポートで必ず確認してください。

家のどこで止まっているか——機器の並びを思い出す

切り分けの精度を上げる近道は、自宅のネットが「どんな機器の並び」でできているかを一度頭に入れておくことです。光回線の一般的な家庭では、おおむね次の順番でデータが流れています。途中のどこかが詰まれば、そこから先が全部つながらなくなる、という構造です。

並び機器役割と「ここが原因のときの症状」
ONU(回線終端装置)/ホームゲートウェイ光ファイバーを電気信号に変換する入口。ここが赤ランプ・消灯だと家中すべて不通になりやすい
Wi-Fiルーター家の中に電波と有線を配る分配役。ここの不調だと有線はOKでWi-Fiだけダメなどの偏りが出る
中継機・メッシュ子機(あれば)電波を遠くへ届ける増設役。特定の部屋だけ弱いときに関与
スマホ・PC・テレビなどの端末実際に使う側。1台だけつながらないなら、まずこの端末を疑う

機種によっては①と②が一体型のホームゲートウェイ1台になっていることも、別々の箱が2つ並んでいることもあります。マンションタイプだと、壁のコンセント口からいきなりルーターにつながっている場合もある。まずは自宅の機器が「いくつ並んでいて、どれがどれか」をざっくり把握しておくと、後の再起動の順番も、サポートに状況を伝えるときも、格段にスムーズになります。

そして観察のコツは、不通の「範囲」が機器の並びのどこに対応するかを考えること。家中全部なら上流(①寄り)、Wi-Fiだけなら②、特定の部屋だけなら③、1台だけなら④——というように、症状の範囲がそのまま犯人の居場所を指してくれます。

ランプの色と点滅から状態を読む

機器のランプは、いわば機械からの一言メッセージです。色や点滅のパターンには意味があり、それを読めると「再起動で済む話か」「回線側の障害か」「機器の故障か」の見当が一気につきます。メーカー・機種で表示はまちまちなので断定はできませんが、家庭用ONU・ホームゲートウェイでよく見かける傾向は次のとおりです。

ランプの様子よくある意味の傾向取るべき行動
全体が安定して点灯(消えているランプもいつも通り)機器自体は正常の可能性原因は端末側か設定側。下流(ルーター・端末)を疑う
「認証」「PPP」「インターネット」系のランプが消灯・点滅回線・プロバイダとの接続が確立できていない再起動 → 直らなければ障害情報を確認
「光回線」「光」系のランプが赤・橙、または消灯光信号そのものが届いていない可能性線の差し直し → 直らなければ回線側の障害・断線を疑う
普段見ないランプが速い点滅/全点滅で点滅更新中・異常・起動途中などさまざま数分待つ。説明書で点滅パターンの意味を確認

ポイントは、「光回線そのものが届いていないサイン」と「回線は来ているが認証でつまずいているサイン」を区別すること。前者(光ランプの異常)は線や設備寄りの話で自分では直しにくく、後者(認証・PPPランプの異常)は再起動で復活することがよくあります。スマホのカメラでランプの状態を撮っておくと、後でサポートに見せるときにも役立ちます。

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ランプの意味は機種ごとに本当にバラバラです。「赤=故障」と早合点せず、必ずその機種の取扱説明書か公式サイトの「ランプ表示の見かた」で照合してください。本記事の傾向はあくまで当たりをつけるための目安です。

再起動は「順番」と「待ち時間」で効きが変わる

つながらないときの最強の一手は、やはり機器の再起動です。長く電源を入れっぱなしの機器は、内部の一時的な状態が溜まって不安定になることがあり、入れ直すだけでスッと復活します。ただ、ただ電源を抜き差しすればいいわけではなく、順番と待ち時間を守ると成功率が上がります。

  1. 上流から順に電源を切るONU/ホームゲートウェイ → Wi-Fiルーター の順で、電源を抜く(または電源ボタンで切る)。
  2. 1〜2分そのまま待つすぐ入れ直すと内部状態がリセットされきらないことがある。少し置くのがコツ。
  3. 上流から順に電源を入れ、ランプが安定するまで待つまずONU側を入れて全ランプが落ち着いてから、次にルーターを入れる。同時に入れない。
  4. 各機器が立ち上がるのを待つ起動には数分かかることも。ランプが普段の表示に戻るまで触らない。
  5. 端末側も再起動するスマホ・PC側も一度再起動。Wi-Fiを切って入れ直す/機内モードのオンオフでも改善することがある。

「上流から消して、上流から点ける」——この順番が大事なのは、下流の機器は上流が用意した接続情報を受け取って動くからです。ルーターが先に立ち上がってもONU側の準備ができていなければ、結局つながらず、もう一度やり直すはめになります。慌てて全部いっぺんに抜き差ししたくなりますが、ここはぐっとこらえて一段ずつ。なお、1日に何度も電源を抜き差しするのは避けたいところで、頻発するなら再起動で対症療法を繰り返すより、原因の切り分けやサポート相談に進むサインだと考えてください。

「つながらない」と「遅い・不安定」は別問題

見落としがちなのが、完全に不通なのか、それとも遅い・途切れるだけなのかの区別です。この2つは原因も対処もまったく違います。完全不通なら機器・線・障害を疑う流れですが、「夜だけカクつく」「ビデオ会議で時々固まる」といった速度・安定性の問題は、別の角度から見る必要があります。

夜になると遅くなるなら「混雑」を疑う

夕方から夜にかけて、みんなが一斉にネットを使う時間帯は回線が混みます。昔ながらの接続方式(IPv4 PPPoE)だと、この混雑時に通り道が細くなって速度が落ちやすい。近年広がっているIPoE方式(いわゆるv6プラス/IPv4 over IPv6などと呼ばれる接続)は、混雑しがちな区間を回避できる設計で、夜の落ち込みに強い傾向があります。自分の契約や機器がこの方式に対応・設定済みかは、各社の公式情報で確認できます。新方式に対応したルーターに替えたら夜の速度が安定した、という例も珍しくありません。

特定の部屋だけ弱いなら「電波の届き方」を疑う

家全体は問題ないのに特定の部屋だけ弱い場合、犯人はたいていWi-Fi電波の届き方です。電波は壁・床・水(水槽や浴室)・金属(冷蔵庫や鏡)に弱く、ルーターを部屋の隅や床、収納の中に置いていると、本来の力を出せません。改善の勘所はこのあたりです。

  • ルーターは家の中央・高い位置・開けた場所に:床置きやテレビ裏の密集地帯を避けるだけで体感が変わることがある。
  • 2.4GHzと5GHzを使い分ける:5GHzは速いが障害物に弱く近距離向き、2.4GHzは遅めだが遠く・壁越しに強い。遠い部屋では2.4GHzのほうが安定することも。
  • 遠い部屋は中継機・メッシュで補う:一台で家中をカバーしきれないなら、電波を中継する機器を足すのが近道。

つまり、「遅い・不安定」の相談に再起動で挑んでも空振りしやすい。症状が「不通」なのか「遅い」なのかをまず仕分けてから、それぞれの対処に進むのが、遠回りに見えていちばんの近道です。

自分の家のせいじゃないこともある——障害情報の見かた

機器も線も正常なのにつながらない。そんなときは、回線会社・プロバイダ側で障害が起きている可能性を疑います。これは自分では直しようがなく、何時間も機器をいじっても徒労に終わるので、早めに切り分けたいポイントです。

  • 契約している回線会社・プロバイダの公式「障害・メンテナンス情報」ページを見る:地域や設備単位で障害が告知されていることがある。
  • 確認は「別の回線」から:自宅Wi-Fiが死んでいるなら、スマホのモバイル通信(4G/5G)に切り替えて調べる。
  • SNSで同じ症状の声がないか:同じ地域・同じ事業者で同時刻に不通報告が相次いでいれば、広域障害の可能性が高い。
  • マンションなら管理会社・共用設備も視野に:建物内の共用機器のトラブルや工事で、棟ぐるみ不通になることもある。

障害だと分かれば、あとは復旧を待つのが正解です。やきもきしますが、こちらでできることはありません。逆に言えば「自分が悪いのか、向こうが悪いのか」が分かるだけで、無駄な作業と精神的な消耗をかなり減らせます。

慌てているときほど狙われる——サポート詐欺への注意

ネット復旧で一番こわいのは、実は機器の故障ではなく「直してあげます」と近づいてくる相手です。つながらず焦っているときは判断が鈍り、ふだんなら引っかからない手口にも乗せられやすくなります。トラブル対応と同じくらい、ここは強く意識しておいてください。

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こんな相手・場面に要注意。①「ネットの不具合を検知しました」と突然出る警告画面・警告音(本物のメーカーはこうした形で連絡してこない) ②検索して上位に出た「公式風」の電話番号(正規窓口と偽窓口が紛れていることがある) ③遠隔操作ソフトの導入や、その場での金銭・前払い・ギフト券を求める誘導 ④訪問・電話で契約変更や機器交換を急かしてくる勧誘。連絡は必ず契約書・正規の請求書・公式サイトに載った窓口から行い、不審なら一度切って、自分で正規番号を調べ直してかけ直しましょう。少しでも怪しければ消費生活センター(局番なしの188)に相談を。

正規のサポートは、あなたが連絡するまで黙って待っています。向こうから「今すぐ」「このままだと危険」と急かしてくる時点で、まず疑ってかかるくらいでちょうどいい。落ち着いて、自分のペースで正規窓口にたどり着くことが、何よりの防御です。

急かされているときの判断は、買い物でも同じように鈍る

前の節の手口が効いてしまうのは、相手が巧妙だからというより、こちらが焦っている最中に来るからです。復旧を急ぐ気持ちが、ふだんなら働く「本当に正規の窓口か」という確認をとばさせる。だから「向こうから急かしてくる」を疑いの合図にする、という見分け方が成り立ちます。

同じ反応は、買い物の場面でも起こります。「残りわずか」「終了まであと何分」と出ているとき、その表示をいつ・どう見せるかを決めているのは売る側で、こちらの都合とは関係がありません。表示そのものが嘘だという話ではなく、急ぐ理由がこちら側から出ていないという点が共通しています。そして急かされた状態では、いつもなら見るはずの送料や、他の店の値段を見ないまま決めてしまう。誤解のないように書いておくと、これは詐欺とは別の話です。サポート詐欺は相手が嘘をついていますが、期間限定のセールは嘘ではありません。似ているのは相手ではなく、急かされると自分の確認が雑になるという、こちら側の反応のほうです。

対処も似ています。一度離れて、自分のペースで調べ直す。時間限定のセール自体は、準備してから臨めば普通に使える道具で、避けるべきものではありません。狙いを決めて価格を控えてから当日に臨むのと、開いた画面の勢いで押すのとでは、同じセールでも結果が変わります(→ 煽りに乗らない時間限定セールの使い方)。

サポートに連絡する前に整理しておくこと

自分でできることを尽くしても直らないときは、無理をせず公式サポートへ。このとき、行き当たりばったりで電話するより、状況をメモにまとめてからかけたほうが、原因の特定も復旧もずっと早くなります。オペレーターが知りたいのは、だいたい次のような情報です。

伝えること具体例
不通の範囲家中全部か/Wi-Fiだけか/特定の1台だけか/特定の部屋だけか
いつから・どんなふうに突然か、だんだんか/特定の時間帯だけか/何かのあと(停電・工事・引越し)からか
機器のランプの状態どのランプが何色か、点灯か点滅か消灯か(撮った写真があると確実)
すでに試したこと再起動した/線を差し直した/障害情報を見た、など
契約・機種の情報契約者名義・お客様番号・機器の型番(請求書や機器のラベルに記載)

「再起動も差し直しも済ませました、光ランプが赤のままです」と最初に言えるだけで、オペレーターは初歩の確認を飛ばして核心に入れます。逆に何も整理せずにかけると、結局その場で同じ手順をやり直すことになり、二度手間です。試したことと現在のランプ状態の2つさえ押さえておけば、会話はぐっと前に進みます。

ルーターを買い替える前に、家の「入口」と置き場所を確かめる

原因の切り分けの結果、どうも古いルーターが怪しい——そう判断して買い替えに動いたとき、いちばん多いつまずきは「届いたけれど、うちの構成では思ったように使えなかった」です。ネット機器は箱に書かれた速度より、家の入口がどうなっているかで使い方が決まる部分が大きいので、注文前に次の三点を見ておくと空振りが減ります。

ひとつめは回線の入口の形です。壁の光コンセントからONU(回線終端装置)につながっているのか、ONUとルーター機能が一体になったホームゲートウェイ(HGW)が置かれているのかで、買う機器の役割が変わります。ひかり電話を契約している場合、たいていHGW側にルーター機能が入っています。ここに市販ルーターをルーターモードのまま足すと、ルーターが二段重ねになり(いわゆる二重ルーター)、ふつうのページは開くのに特定のアプリやゲームだけ通らない、といった分かりにくい不調が出ます。買う側でブリッジ(アクセスポイント)モードに切り替えられるか、本体に切替スイッチがあるかを確認しておきましょう。

ふたつめは集合住宅の配線方式です。同じ「光」でも、建物の共用部までが光で各戸へは電話線を使うVDSL方式なら、宅内の機器を最新にしても頭打ちの位置は動きません。契約書類や管理会社の案内に「光配線方式/VDSL方式/LAN配線方式」といった記載があります。VDSLだと分かったら、上位機に買い替えるより、置き場所の見直しや有線の併用のほうが体感に効きます。

みっつめは置き場所の実寸。縦置き専用で背が高い機種はテレビ台の扉が閉まらないことがありますし、四方から吸気して発熱する機器を密閉された棚に入れると、夏場に不安定になります。ACアダプタが大きくて電源タップの隣の口をふさぐ、光コンセントが部屋の隅にあって同梱のLANケーブルでは届かない、というのも定番です。

確かめる場所どこを見るか合っていないと起きること
回線の入口ONU単体か、HGW(ひかり電話の有無)か二重ルーターで一部の通信だけ通らない
建物の方式光配線/VDSL/LAN配線の記載上位機にしても速度が変わらない
設置スペース幅・高さ・排熱、扉の内寸熱がこもって夜だけ切れる
ケーブルと電源光コンセントからの距離、タップの口数届かない・挿さらないで設置が止まる
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ONUやHGWは多くの場合、回線事業者から借りている機器です。自分で同等品を用意して置き換えるものではないので、買い替えの検討対象になるのは基本的にその先のWi-Fiルーター側だと考えておくと整理しやすくなります。

本体だけ届いても復旧しない——同時にそろえたいものと、後回しでいいもの

新しいルーターの箱には、たいていLANケーブルが一本入っています。ただしそれはONUとルーターをすぐ隣に置く前提の短いもので、光コンセントが部屋の隅にある家や、リビングの中央寄りに置き直したい家では長さが足りません。設置場所を先に決めてから、必要な長さを測っておくと、届いた日に作業が止まりません。

ケーブルの規格は、契約が1Gbps級ならカテゴリ5eで足ります。WANポートが2.5Gbpsの機種を選び、その速度を使い切る契約なら6Aを見ておく、という順番です。家庭内の数メートルで最上位カテゴリを選んでも体感は変わりにくく、太くて硬いぶん配線の取り回しだけが難しくなります。

あわせて用意しておきたいのが、接続用のIDとパスワードの控えです。PPPoEで接続している契約では、プロバイダから届いた書類にある認証IDがないと初期設定が終わりません。IPoE方式なら入力不要のことが多いのですが、どちらか分からないまま作業を始めて手が止まる例をよく見ます。書類が見つからない場合に備えて、復旧作業中の調べ物用にスマホのテザリングが使えるか(データ残量が残っているか)も確認しておくと安心です。

優先度が低いのに勧められがちなもの

  • 電波を改善するとうたうシールや小物——効果の裏づけがはっきりしません。置き場所を床から上げる、金属ラックや水槽の陰から出す、のほうが確実です。
  • 先に買う中継機——親機の位置を変えるだけで届く場合が多く、中継機は電波の折り返しで速度が落ちます。買うのは設置を試した後で十分です。
  • 回線を速くするとうたうアプリや最適化ツール——つながらない原因の切り分けには役立ちません。
  • 無停電電源装置——一般家庭で通信のために必須ではなく、雷対策なら雷サージ対応の電源タップのほうが現実的です。
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「今すぐ直すには有料サポートの契約が必要」と電話や画面で迫られたら、いったん切って落ち着いてください。契約中の回線事業者・プロバイダの窓口は、契約書類や公式アプリに載っている番号から自分でかけ直すのが基本です。

レンタル機のままか、市販機を買うか——どちらが向くかは家の条件で決まる

Wi-Fiの調子が悪いとき、選択肢は「回線事業者やプロバイダから借りているWi-Fi機能をそのまま使う(またはオプションを追加する)」「市販のルーターを買って自分で管理する」の二つに大きく分かれます。どちらが優れているという話ではなく、トラブル時に誰が面倒を見るかの分担が違うと考えると選びやすくなります。

レンタルの利点は、不調のときに窓口が一本化されることです。ONU・HGW・Wi-Fiがすべて事業者の機器なら、「うちの機械が悪いのか、借りている機械が悪いのか」を自分で切り分ける必要が薄れ、故障時は交換の話に進めます。設定に不安がある方、引っ越しの予定がある方、家族の誰も設定を触りたくない家庭には向きます。一方で毎月の負担は契約が続くかぎり発生し、機種は選べません。

市販機を買う利点は、接続台数の多い家や広い家に合わせて選べること、そしてゲスト用SSIDや細かい電波の設定、ファームウェアの更新を自分の判断でできることです。反面、不調のときは「機器か回線か」の切り分けを自分でやる場面が増えます。

家の条件向きやすい選択理由
設定を触りたくない・窓口を一つにしたいレンタルのまま故障時は交換対応に進めて切り分けが要らない
スマホ・家電・ゲーム機が多く同時接続が多い市販機を購入同時接続の処理や帯域の割り振りに余裕のある機種を選べる
戸建てで階をまたぐ・鉄筋で電波が届かないメッシュ対応の複数台構成親機の位置替えでは届かない距離を面でカバーできる
特定の一部屋だけ弱いまず設置場所の見直し、次に中継機折り返し通信で速度が落ちるため最後の手段にしたい
工事ができない・入居期間が短いコンセント式のホームルーター工事なしで使えるが混雑時間帯や上り方向は光回線に劣りやすい

もうひとつの分岐が、Wi-Fiの世代です。Wi-Fi 6以降は同時接続が多い環境での取りこぼしを減らす仕組みが入っているため、台数が多い家では効きます。ただし建物側がVDSL方式だったり、手持ちの端末が古い規格までしか対応していなかったりすると、最新世代にしても差は感じにくくなります。使っている端末の対応規格を先に見てから決めてください。

「2402+574Mbps」「IPv6 IPoE」——表記の意味が分かると比較できる

ルーターの商品ページは略号だらけで、どこを見比べればいいのか分かりにくいものです。ただ、意味の分かる項目は数えるほどしかありません。よく出てくるものを整理しておきます。

表記読み方
802.11ax/beaxがWi-Fi 6(6E含む)、beがWi-Fi 7。acはWi-Fi 5、nはさらに前の世代を指します。
2402+574Mbps前が5GHz帯、後ろが2.4GHz帯の理論値。足し算した値で一台の端末が通信するわけではなく、実測はこれよりかなり下になります。
4×4(ストリーム数)同時に扱える電波の本数。数が多いほど多台数時に余裕が出ますが、端末側も対応していないと活きません。
160MHz対応5GHz帯で幅の広い電波を使える設定。速度は伸びますが、他の電波との干渉やチャンネルの制約を受けます。
推奨接続台数/推奨環境メーカーが自社基準で示す目安です。「戸建て3階建て」「4LDK」といった表記も同様で、間取りや壁材で実際は変わります。
1000BASE-T/2.5GBASE-T有線ポートの速度。WAN側とLAN側で違うことがあるので、どちらのポートの話か確認します。
WPA3/WPA2Wi-Fiの暗号化方式。WPA3対応が新しく、古い端末はWPA2までしかつながらない場合があります。

接続方式の名前は「一致しているか」で見る

いちばん間違えやすいのが接続方式です。PPPoEはIDとパスワードで認証する従来の方式、IPv6 IPoEは認証情報の入力なしにつながる方式で、混雑時間帯の落ち込みが小さいとされます。さらにIPv6の道を使ってIPv4の通信も流す仕組みには、v6プラス、OCNバーチャルコネクト、transix、クロスパスといった名前があり、契約しているプロバイダの方式名と、ルーターの対応方式名が一致しているかが肝心です。「IPv6対応」とだけ書かれていても、この方式名まで対応しているとは限りません。商品ページの対応表で名指しされているかを確認してください。

機器のランプ側の表記も覚えておくと役に立ちます。ONUやHGWの「認証」「UNI」「PPP」といった名前は、それぞれ回線側の状態、宅内側の接続、認証の成否を表しています。どのランプが消えているかを控えておけば、サポートに伝える情報としてそのまま使えます。

壊れてから探すと選べない——買い替えを考えるタイミング

ネット機器は、完全に止まってから探し始めると、その日に手に入るものの中から選ぶことになります。比較する余裕がないまま決めるのがいちばんもったいないので、切れやすくなってきた段階で候補を見ておくのがおすすめです。

Wi-Fiルーターの新製品は、新生活の準備が始まる冬の終わりから春先と、秋口に出てくることが多い分野です。新しい世代の機種が並ぶと、ひとつ前の世代が入手しやすくなります。手持ちの端末がWi-Fi 6までしか対応していない家なら、最新世代を追わずにこの前世代を選ぶほうが釣り合いが取れることも珍しくありません。逆に、家族が増えて接続台数が一気に増えた、在宅の会議が増えたといった変化があるなら、世代を上げる意味が出てきます。

回線契約そのものを見直すなら、引っ越しシーズンの前を意識してください。転居や入学が集中する時期は開通工事の予約が取りにくく、申し込みから使えるようになるまでの待ち時間が延びがちです。工事が絡む契約は、思い立った日に切り替わるものではないと考えて、余裕を持って動くほうが安全です。

買い替えを検討していい合図

  • 再起動すればしばらく直るが、同じことを月に何度も繰り返している
  • 夜や夏場だけ落ちる。本体が熱く、風通しを良くしても変わらない
  • メーカーのファームウェア更新の提供が終わっている(脆弱性の修正が届かなくなります)
  • 暗号化がWPA2より前の方式までしか選べない
  • 買ってから五年前後が経ち、その間に接続台数が倍近くに増えた

セール時期については、年末や大型連休前後、季節の変わり目に型落ちが動きやすい傾向があります。ただし、通信が止まっている最中に「セールを待つ」判断はおすすめしません。まず使える状態に戻し、落ち着いてから候補を絞るという順番のほうが、結果的に納得のいく選び方になります。契約の更新月や解約時の条件は契約ごとに違うので、乗り換えを考えるなら現在の契約内容を先に確認しておきましょう。

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台風や雷の多い季節の前に、雷サージ対応の電源タップに替えておくと、落雷後の「電源は入るのに通信だけ死んでいる」という事故をいくらか避けられます。停電が予告されている日は、通電の戻り方が不安定になることもあるので、復旧後にONU側から順に電源を入れ直す手順を思い出せるようにしておくと安心です。

困ったときの早見フロー

最後に、ここまでの流れを一本の判断ルートにまとめます。迷ったら上から順にたどってください。

  1. つながらない範囲を見る1台だけ→その端末を再起動・設定確認。家中/部屋単位→次へ。
  2. 機器のランプを見る光系が異常→線寄り・障害寄り。認証系が異常→再起動で復活しやすい。
  3. 上流から順に再起動ONU→ルーターの順で切り、1〜2分待ち、上流から入れ直す。
  4. 遅いだけなら別ルート夜だけ遅い→混雑・接続方式。特定の部屋だけ→電波の届き方を改善。
  5. 障害情報を確認別回線(スマホ)で公式の障害・メンテ情報をチェック。障害なら復旧待ち。
  6. 直らなければ正規窓口へ範囲・経緯・ランプ・試したことを整理して、公式サポートに相談。詐欺窓口に注意。
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ほとんどの不通は「範囲を見て、ランプを読み、上流から再起動」のどこかで解決します。それで直らなければ、無理に自己解決を続けず、状況を整理して正規サポートへ——この割り切りが、いちばん早く・安全に元の生活に戻る道です。

よくある質問

つながらないとき、まず最初にやるべきことは?

「どこまでつながらないか」を観察することです。スマホ1台だけなのか、家中の機器すべてなのか、特定の部屋だけなのか。この範囲が分かれば、原因が端末側か・ルーター側か・回線側かの見当がつきます。範囲を確かめたうえで、ONU(回線終端装置)からルーターの順に再起動するのが基本の流れです。いきなり故障と決めつけたり業者に連絡したりする前に、まずこの観察と再起動を試してください。多くはここで解決します。

再起動の正しい順番と待ち時間は?

上流から消して、上流から点けるのが鉄則です。まずONU/ホームゲートウェイ、次にWi-Fiルーターの順で電源を切り、1〜2分そのまま待ちます。すぐ入れ直すと内部状態がリセットされきらないことがあるためです。入れるときも上流から。ONU側のランプが安定してから、次にルーターを入れます。下流の機器は上流の接続情報を受け取って動くので、同時に入れたり順番を逆にしたりすると、うまくつながらずやり直しになりがちです。

1台だけつながらないのはなぜ?

その端末側の問題である可能性が高いです。ほかの機器がつながっているのに1台だけダメなら、回線ではなくその端末の設定や一時的な不具合が疑われます。その端末を再起動する、Wi-Fiを切って入れ直す、機内モードをオン・オフする、といった操作で直ることがよくあります。それでも改善しなければ、その端末のWi-Fi設定(つなぎ先のネットワークが正しいか)を確認するか、端末メーカーのサポートに相談しましょう。

機器のランプが赤いと故障ですか?

赤=即故障とは限りません。意味は機種によってまったく異なります。光回線系のランプが赤や消灯なら光信号が届いていない可能性があり、線の差し直しや回線側の障害を疑います。一方、認証やPPP系のランプの異常なら、再起動で復活することがよくあります。まずは取扱説明書か公式サイトの「ランプ表示の見かた」で、そのランプが何を示すかを照合してください。スマホで状態を撮っておくと、サポートに伝えるときに確実です。

夜になると遅い・カクつくのはなぜ?

利用が集中する時間帯の回線混雑が主な原因です。完全に不通ではなく「遅い」場合は、再起動より接続方式の見直しが効くことがあります。昔ながらのIPv4 PPPoE方式は混雑時に細りやすく、IPoE(v6プラス/IPv4 over IPv6などと呼ばれる方式)は混雑区間を回避しやすい設計です。自分の契約・機器が対応・設定済みかは各社公式で確認できます。新方式対応のルーターに替えて夜の安定性が改善した例もあります。

特定の部屋だけWi-Fiが弱いときは?

電波の届き方を改善するのが近道です。Wi-Fi電波は壁・床・水まわり・金属に弱いため、ルーターを部屋の隅や床、収納の中に置いていると本来の力が出ません。家の中央・高い位置・開けた場所に動かすだけで体感が変わることがあります。また5GHzは速いが障害物に弱く、2.4GHzは遅めでも壁越しに強いので、遠い部屋では2.4GHzが安定することも。それでも届かない部屋は、中継機やメッシュ機器で電波を補うとよいでしょう。

回線側の障害かどうか、どう確かめる?

別の回線から公式の障害情報を見るのが確実です。自宅Wi-Fiが死んでいるなら、スマホのモバイル通信に切り替えて、契約している回線会社・プロバイダの公式「障害・メンテナンス情報」ページを確認します。同じ地域・事業者で不通報告が相次いでいないかSNSを見るのも手がかりになります。障害が出ている場合は自分では直せないので、慌てて機器を操作せず復旧を待ちましょう。マンションなら共用設備のトラブルの可能性もあります。

「ネットを直す」という連絡が来たら?

本物のメーカーやプロバイダは、突然そうした形で連絡してきません。「不具合を検知」と出る警告画面・警告音、検索で上位に出た公式風の電話番号、遠隔操作ソフトの導入や金銭・ギフト券の要求は、サポート詐欺の典型です。連絡は必ず契約書や公式サイトに載った正規窓口から。不審なら一度切り、自分で正規番号を調べ直してかけ直しましょう。少しでも怪しければ消費生活センター(局番なしの188)に相談してください。

サポートに電話する前に準備すべきことは?

状況をメモにまとめておくと復旧が早まります。具体的には、不通の範囲(家中か・1台か・特定の部屋か)、いつからどんなふうに起きたか、機器のランプの状態(写真があると確実)、すでに試したこと(再起動・差し直し・障害確認)、契約者名義やお客様番号・機器の型番です。「再起動済み、光ランプが赤のまま」と最初に言えれば、オペレーターは初歩の確認を飛ばして核心に入れます。整理せずにかけると同じ手順をその場でやり直すことになり、二度手間です。

スマホだけつながらず、パソコンは問題なくつながる場合はどこを疑えばいいですか?

家全体ではなく端末側の問題である可能性が高い状態です。まず機内モードのオンオフ、次にスマホのWi-Fi設定からその接続先を一度削除し、パスワードを入れ直して再接続してみてください。日付と時刻が大きくずれていると認証に失敗することもあります。それでも直らなければ、スマホの再起動とOSの更新確認まで試してみましょう。

再起動を何度試しても直らない場合、ルーターの初期化ボタンを押してもいいですか?

最後の手段と考えてください。初期化すると接続設定やSSID・パスワードがすべて消え、PPPoE方式ならプロバイダの認証IDを入れ直さないと復旧できません。書類が手元にあるかを先に確認しましょう。また、回線事業者から借りているONUやホームゲートウェイは自己判断で初期化せず、サポート窓口の案内に従うのが安全です。

落雷や停電のあとからつながらなくなりました。何を確認すればいいですか?

まず各機器のランプを見て、回線側のランプが正常に点灯しているかを確認します。電源が入らない、ランプが消えたままという場合は、雷サージで機器が傷んでいる可能性があります。借りている機器なら交換対応になるため、契約書類に記載の窓口へ連絡してください。復旧時は回線側の機器から順に電源を入れ、間隔を空けるのがおすすめです。

※ 本記事は購入価格・キャンペーン情報の参考目的で作成しています。記載のセール日程・ポイント還元率・キャンペーン条件は変更される場合があります。最新情報は各 EC サイトの公式ページをご確認ください。