保育園費用 2026 完全ガイド

育児・子供教育サービス 公開:2026-05-18 更新:2026-08-19 読了 約 27 分

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保育料が「人によって違う」のはなぜか

同じ年に同じ年齢の子を、同じ街の保育園に預けても、隣の家庭と毎月の負担額がまったく違う——保育料の話がややこしいのは、この一点に尽きます。家電や日用品の値段は店が決めますが、認可保育園の保育料は「世帯の住民税額」を物差しにして自治体が一世帯ずつ算定するため、定価という概念がありません。だから「保育園っていくら?」という質問には、ネットのどこを探しても正解が一つに定まらないのです。

もう一つの落とし穴が、「保育料が無料」と「お金がかからない」は別物だという点です。2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化で3〜5歳の保育料は原則ゼロになりましたが、給食のおかず代も、行事費も、制服も、延長保育も、無償化のラインの外側にあります。月謝が0円になった年に、思ったより財布が軽くならなかった、という声はここから生まれます。

この記事は、認可と認可外の住み分けから始めて、保育料が決まる4つの変数、無償化で「消える費用」と「残る費用」の線引き、入園を左右する指数制度の中身、そして年齢が上がるにつれて負担がどう変わっていくかまでを、ひと続きの流れとして整理します。金額の絶対値は自治体ごとに大きく振れるので、本記事は仕組みと相場感をつかむための地図として読み、最終的な数字はお住まいの自治体窓口や公式情報でご確認ください。

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「保育料」と紛らわしい言葉に注意。保育料=月々の基本料金(認可は所得連動)、実費=給食費や行事費など別建ての費用です。無償化が効くのは前者だけ。見学先で見積もりをもらうときは、この2つを分けて聞くと比較しやすくなります。

「無料」は、対象を決めた言葉でしかない

前の節で触れた「保育料が無料」と「お金がかからない」は別物、という話は、実は買い物でいちばんよく踏む形でもあります。無料と言えるのは、無料にする対象をあらかじめ決めてあるからで、決めた線の外側にあるものは、消えずにそのまま残ります。給食費や行事費が残るのと、構造は同じです。

買い物の側では、線の引き方が店ごとに違うのが厄介なところです。送料が無料になるのは同じ発送元でまとまったときだけ、という条件が付いていたり、初回は無料でも続けるかどうかの判断に期限が付いていたり。どれも隠しているわけではなく、無料の範囲として最初から書いてあるのに、「無料」という語の強さで先に安心してしまう、というだけのことが多いのです。

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順番をひとつ変えるだけで防げます。「何が無料か」ではなく「何が無料でないか」を先に読む。園の見積もりで保育料と実費を分けて聞くのと同じで、買い物でも、無料の対象から外れる欄——別の発送元からの分、返送するときの負担、期限を過ぎたあとの扱い——を先に見ておくと、あとから足される額に驚かずに済みます(→ 無料になる条件のほうを読む)。

認可・認可外・その中間——施設の種類でルールが変わる

費用の話に入る前に、施設の「種類」を押さえる必要があります。種類によって料金の決め方そのものが違うからです。大きくは、国の基準を満たした認可保育園と、それ以外の認可外(無認可)保育園に分かれますが、実際にはその間にいくつもの選択肢があります。

認可保育園——所得で決まる、行政が窓口

施設の面積や保育士の配置が国の基準を満たし、保育料は世帯所得(住民税額)に応じて段階的に決まります。所得が低いほど安く、住民税非課税世帯ならゼロになることも。申し込み先は施設ではなく市区町村で、後述の選考を通って初めて入れます。設備や職員体制に一定の担保がある反面、都市部では希望どおりに入りにくいのが現実です。

認可外保育園——施設が値段を決める、サービスは自由設計

国の基準に縛られないぶん、夜間保育・24時間保育・病後児対応・少人数制など、認可では手が届きにくいサービスを売りにする施設が多くあります。保育料は施設が独自に設定するため認可より高めになりがちですが、自治体の補助が入ると差が縮まります。都道府県へ届け出て立入検査を受けている施設は一定の水準が保たれており、「届出の有無」「指導監督基準を満たすか」は自治体のサイトで確認できます。

中間の選択肢——認証・企業主導型・認定こども園

制度は二択ではありません。東京都の認証保育所は国の認可ではなく都独自の基準を設けた施設で、0歳児保育や13時間開所などを条件にしています。企業主導型保育事業は企業が国の助成を受けて運営する施設で、自社従業員向けの「従業員枠」と外部にも開く「地域枠」があり、認可外ながら補助のおかげで費用が認可並みに抑えられているケースもあります。幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園もあり、就労していない家庭でも利用しやすいのが特徴です。

種類料金の決め方申込先こんな家庭に
認可保育園所得連動(自治体が算定)市区町村費用を抑えたい・基準の担保を重視
認可外保育園施設が独自設定施設に直接夜間・休日・柔軟な預け方が必要
認証保育所(東京都)施設設定+都・区の補助施設に直接認可に入れない時の有力な受け皿
企業主導型助成で認可並みも施設に直接勤務先の枠が使える・近所に地域枠
認定こども園認可と同様の枠組み自治体/施設就労状況が変わりやすい・教育も重視

「認可に入れればそれだけで安心」という発想は、いざ落選したときに身動きが取れなくなります。最初から複数の種類を並べて検討しておくのが、結果的に費用面でも気持ちの面でも余裕につながります。

認可の保育料を決める4つの変数

認可保育園の保育料は「子ども・子育て支援新制度」のもとで、国が定める上限額の範囲内で各自治体が独自に設定します。つまり同じ年収でも、住む街が違えば月額が変わる。その算定を分解すると、効いてくる変数は主に4つです。

  1. 世帯の住民税所得割額父母それぞれの住民税所得割額を合算し、自治体の「階層表」のどの段にはまるかで基本額が決まります。年収ではなく住民税額が物差しなので、控除の使い方によって同じ年収でも段が前後することがあります。
  2. 子どもの年齢区分0〜2歳児クラスと3〜5歳児クラスで水準がまったく違います。3歳以上は無償化が効くため、純粋に料金がかかるのは実質0〜2歳の3年間と考えてよいでしょう。
  3. 保育の必要量(標準時間/短時間)フルタイム就労などは1日最長11時間の「保育標準時間」、パート就労などは最長8時間の「保育短時間」に区分され、料金体系が分かれます。同じ階層でも時間区分で月額が違う自治体が多いです。
  4. きょうだいの在園状況(多子軽減)同時期に複数の子が保育園・幼稚園等に通っていると、第2子は半額、第3子以降は無料、といった軽減が入ります。対象範囲や上の子の年齢条件は自治体差が大きいポイントです。

自分の家庭がいくらになるかは、自治体が公開している「保育料徴収基準額表(階層表)」を見て、自分の住民税額がどの段に入るかを確認するのが最短です。多くの自治体がホームページにPDFで掲載しており、子育て支援課・保育課の窓口でも教えてもらえます。階層表は0〜2歳の負担感を測るうえで最も実用的な資料なので、見学と並行して取り寄せておくと判断がぶれません。

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住民税額は前年の所得で決まるため、保育料が切り替わるのは毎年9月(その年度の住民税が確定するタイミング)が一般的です。年度の前半と後半で月額が変わることがある、と覚えておくと家計の見通しを立てやすくなります。

無償化で「消える費用」と「残る費用」の境界線

2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化は、家計に効く一方で、誤解も生みやすい制度です。最大のポイントは、無償化されるのは保育料という一項目だけで、それ以外の実費はそのまま残るという線引きにあります。

対象になるのは、認可保育園・認定こども園(保育所型・幼保連携型)に通う3歳児クラス(年少)から5歳児クラス(年長)。世帯所得にかかわらず保育料が無料になります。一方、0〜2歳は原則として対象外で所得連動の保育料がかかり、例外的に住民税非課税世帯のみ無料です。つまり「無償化の恩恵が大きいのは3歳以降、家計の山場は0〜2歳」という非対称な構造になっています。

認可外保育園や幼稚園の預かり保育を使う場合は仕組みが変わります。市区町村から「保育の必要性」の認定を受けたうえで、3〜5歳は月額上限まで(認可外の場合は月3.7万円が目安)、0〜2歳の住民税非課税世帯は別の上限まで、という形で定額の補助が出ます。認可のように丸ごと無料になるのとは異なり、上限を超えた分は自己負担です。

そして無償化の外側に残るのが、次の実費たちです。

  • 給食費(主食費・副食費):特に3〜5歳の副食費(おかず代)は無償化の対象外で、施設が金額を設定します。年収や第3子以降などの条件で免除する自治体もあります。
  • 行事費・教材費:遠足・発表会・プールなどの行事費、制作活動の材料費。
  • 制服・スモック・帽子・通園バッグ:指定品があると入園時にまとまった出費になります。
  • 通園バス代・延長保育料・病児病後児保育費:利用した分だけ上乗せされる変動費です。

無償化の手続きは「自動で無料になる」ケースと「認定申請が必要」なケースに分かれます。認可保育園なら手続き不要なことが多い一方、認可外や預かり保育の利用は申請が前提です。入園が決まったら、施設と自治体の両方に「何が自動で、何を申請するのか」を確認しておくと取りこぼしを防げます。

入れるかどうかを決める「指数」のリアル

認可保育園は、施設に直接申し込んで先着で決まるわけではありません。市区町村に申請し、各家庭に「指数(点数)」をつけて優先順位を競う選考を通って初めて入園できます。費用の前に、そもそも入れるかを左右するのがこの仕組みです。

指数は、基準指数(就労状況など家庭の基本点)調整指数(個別事情の加減点)の合算で決まるのが一般的です。たとえばフルタイム就労は満点に近く、パートや求職中は低くなります。そこに、ひとり親世帯・きょうだいが同園に在園・認可外をすでに利用中・近隣に祖父母がいる(減点になる自治体も)といった事情が調整指数として加減されます。同点の場合は所得が低い世帯を優先する、といったタイブレークのルールも自治体ごとに決まっています。

4月入園を狙う場合の流れはおおむね次のとおりです。

  1. 情報収集と見学(夏〜秋)自治体の保育課で施設一覧と空き状況を確認し、気になる園を見学。多くの園が秋に見学会を開きます。雰囲気・方針・延長の可否を自分の目で。
  2. 申請書類の準備と提出(10〜11月頃)入園申請書に加え、就労証明書や税関係書類で「保育の必要性」を証明します。締切は自治体次第なので必ず確認を。
  3. 選考(冬)指数の高い家庭から、希望順位と空き枠を突き合わせて内定が決まります。
  4. 結果通知と手続き(1〜2月頃)内定なら入園手続きへ。不承諾ならキャンセル待ちや認可外探しに切り替えます。

都市部では倍率が高く、第一希望どころか全滅もあり得ます。だからこそ、認可の申請と並行して、認可外・企業主導型・認証保育所(東京)まで早めに調べておく「保活」が効いてきます。指数は転居や就労状況の変化で動くので、自分の家庭が何点になりそうかを早い段階で窓口に確認しておくのが、最も実りのある準備です。

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不承諾になっても打つ手はあります。年度途中の空き枠を待つ補欠申込、認可外を一度利用して翌年の調整指数を上げる、育休延長の可否を勤務先に相談する——いずれも自治体や勤務先のルール次第なので、不承諾通知が届いたらすぐ次の一手を確認しましょう。

0歳から卒園まで——年齢で変わる「費用の山と谷」

保育園の費用は、入園した瞬間の月額だけ見ても全体像はつかめません。年齢が上がるにつれて負担の中身が入れ替わっていくからです。家計の計画を立てるなら、入園から卒園までの「お金の地形」を一度俯瞰しておくと安心です。

0〜2歳は保育料そのものが主役です。無償化の対象外なので、住民税額に応じた保育料が毎月かかります。所得が高い世帯ほどここが家計の山になりますが、多子軽減で第2子半額・第3子無料が効けば一気に谷になることもあります。慣らし保育で送迎時間がかさむ時期でもあり、延長保育料が地味に効いてきます。

3〜5歳は保育料が消え、実費が前面に出ます。月謝0円で楽になる一方、副食費・行事費・教材費といった実費が相対的に目立つようになります。年中・年長になると遠足やお泊まり保育、卒園関連の費用も加わり、「無料なのに出費が増えた気がする」のはこの構造によるものです。

こうした費用は施設・自治体で大きく振れます。見学のときに次の3点をまとめて聞いておくと、入園後の「想定外」を減らせます。

  • 毎月の費用の目安(保育料以外の実費を含めた月額)
  • 入園時の初期費用(制服・用品・諸費用の一式)
  • 無償化対象外の費用の内訳(給食費・行事費・バス代などの内訳)

一覧で説明してくれる施設は多く、ここで丁寧に答えてくれるかどうかは施設の運営姿勢を測るリトマス紙にもなります。費用の透明性は、そのまま園との付き合いやすさにつながると考えてよいでしょう。

「入れた」あとでつまずく条件——開所時間・距離・受け入れ年齢を先にすり合わせる

保活の話題はどうしても「入れるかどうか」に集中します。ただ、実際に生活が回らなくなる原因は、内定が出たあとに顔を出すことのほうが多いのです。園までの距離、開所時間と自分の認定区分の噛み合わせ、その園に何歳までいられるか、給食や寝具の運用——このあたりは申込書にも指数の説明にも出てきませんが、毎日の朝晩を直撃します。指数を1点積む工夫と同じくらい、この物理条件の突き合わせに時間を使う価値があります。

開所時間は「認定区分」とセットでしか意味を持たない

認可の利用時間は、保育標準時間(1日11時間まで)と保育短時間(1日8時間まで)のどちらの認定を受けるかで枠が決まります。見落としやすいのは、短時間認定の場合に「園が設定した8時間の帯」が適用される点です。たとえば9時〜17時と決められている園では、8時半に預ける時点で延長保育の扱いになります。園の開所が朝早く夜遅くても、自分の認定と園の設定時間帯がずれていれば、毎日が延長です。就労時間が短めの方ほど、ここは見学時に口頭で確かめておきたいところです。

延長保育そのものにも園ごとの作法があります。月極契約とスポット利用のどちらが選べるか、当日申込は何時までに連絡すればよいか、補食や夕食が出るのか、何時まで受け入れるのか。残業が読めない働き方なら、スポット利用の締切時刻がそのまま「その日会社を出られる限界時刻」になります。

通園ルートは晴れた日ではなく、雨の日で測る

見学は天気のよい日に行きがちですが、判断材料としては雨と冬の朝のほうが正確です。自転車で7〜8分の距離でも、雨で子どもを歩かせる、あるいは抱えて歩くとなれば別物になります。確認したいのは、駐輪場が保護者用にあるか(台数と屋根の有無)、子ども乗せ自転車がそのまま停められる幅か、車での送迎が認められているか、認められていない場合に近隣の一時利用駐車場があるか、といった具体です。きょうだいで別園になる可能性がある地域なら、2園を回る動線が現実的な時間に収まるかも先に測っておくと、申込順位の付け方が変わります。

その園に何歳までいられるかを、申込前に確定させる

小規模保育事業、家庭的保育(いわゆる保育ママ)、事業所内保育の一部は、原則として2歳児クラスまでの施設です。入園時点では手厚くて通いやすくても、3歳児クラスに上がるタイミングで再び転園活動が発生します。これがよく言われる「3歳の壁」です。避けられないわけではなく、卒園後の受け皿となる連携施設が設定されているか、卒園児に加点が付く自治体かどうかで難易度が大きく変わります。申込前に、自治体の入園案内でその園の連携施設欄を確認しておいてください。

給食・おむつ・寝具は、園ごとにまったく運用が違う

同じ認可でも、3歳児クラス以上は主食(ごはん)を持参する園と、完全給食の園があります。アレルギーがある場合は、除去食まで対応するのか、代替食まで出るのか、原因食材によっては弁当持参をお願いされるのかで、家庭の負担がまるで変わります。おむつも、使用済みを持ち帰る運用か園で処分するか、布おむつ指定か、外部のおむつ提供サービスを利用できるかで、荷物の量が日々効いてきます。午睡用の寝具も、園が用意する園、週末ごとに布団を持ち帰る園、簡易ベッドでシーツだけ交換する園があり、持ち帰りがある園を自転車通園で選ぶなら金曜の帰り方を先に想像しておく必要があります。

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慣らし保育の期間は園の裁量が大きく、1週間程度のところもあれば、2〜4週間かけて少しずつ延ばす園もあります。復職日を先に会社と確定させてしまうと、慣らし期間と衝突します。内定後すぐに園へ標準的な日数を確認し、そのうえで復職日を詰めるほうが安全です。

  1. 認定区分と園の時間帯を突き合わせる短時間認定なら、園が定める8時間の帯と自分の通勤時間を並べて、延長が毎日発生しないか確かめます。
  2. 雨天想定で往復時間を測る徒歩に切り替えた場合の所要時間と、駐輪場・車送迎の可否を見学時に質問します。
  3. 受け入れ年齢の上限と連携施設を確認する2歳児クラスまでの施設なら、卒園後の受け皿と加点の有無を入園案内で確認します。
  4. 重要事項説明書と園のしおりをもらう給食・アレルギー対応・おむつ・寝具・延長の締切など、口頭では流れやすい条件が文書で残ります。

保育料の外側で毎月出ていくお金と、入園前に急いで買わなくていいもの

保育料の階層が分かると、家計の見通しがついた気になります。けれど実際の支出は「保育料+実費」で動いていて、この実費のほうが園ごとの差が大きい、というのが通ってみた家庭の共通した感想です。ここでは、本体(=保育料)だけ見ていると足りなくなるものと、勧められるわりに後回しでよいものを分けて整理します。

毎月・毎年かかり続ける実費

3歳児クラス以上では、無償化の対象外として副食費(おかず・おやつ分)が実費で残るのが基本です。主食持参の園なら、そのぶんの手間と食材も家庭側の負担になります。加えて、行事費、教材費・絵本代、保護者会費、写真代、制服や体操着がある園ならその費用、延長保育を使うならその利用料が上乗せされます。認可外の場合は、保育料そのものに加えて入園時の費用や施設維持にかかる費用が別立てになっていることが多く、月額表示だけを比べると実態を見誤ります。

見学のとき、保育料以外に年間でどんな費目があるかを一覧でもらえるか聞いてみてください。園によっては入園説明会の資料にまとまっています。ここが把握できると、認可と認可外、あるいは園同士を横並びで比べたときの結論が変わることがあります。

入園までにそろえる「数」は、しおりが来てから

入園準備で最初につまずくのは、量とサイズの指定です。0〜1歳児クラスは1日に3〜4組の着替えを使うこともあり、洗濯の回転を考えると手持ちの倍近く必要になります。一方で、口拭きタオルの寸法、袋物の大きさ、ループ付きかどうか、記名の位置といった細かい指定は園ごとに違い、しおりが配られる前に買いそろえると作り直しになりがちです。

内定前でもよいもの枚数がいる肌着・シャツ・ズボン、靴下、ハンドタオル。サイズが上がっても使い切れます
しおりを見てから手提げ・巾着・布団袋などの袋物、口拭きタオル、コップ、食事エプロン、通園バッグ。寸法や形の指定が入りやすい部分です
入園後で間に合うものおむつのまとめ買い、上着や長靴、行事用の服。サイズが変わるうえ、園の運用を見てから決めたほうが無駄が出ません

本体だけ買っても使えない典型は「送迎の足」

保育園そのものより、通うための道具のほうが互換の落とし穴が深いところです。子ども乗せ自転車は、車体だけでは成立しません。前乗せ・後ろ乗せのチャイルドシートには適合する車種の指定があり、さらに対象年齢・体重・身長の上限が決められています。1歳前後で前乗せを選んだ場合、身長が伸びれば後ろ乗せへの載せ替えが必要になり、そのタイミングでレインカバーも買い直しになります。ヘルメットも子どもの頭囲に合わせて選ぶ必要があり、成長すればサイズが変わります。車で送迎するなら、チャイルドシートは6歳未満で使用が義務づけられていますから、車種と座席への取付方式(シートベルト固定か専用金具か)を先に確認してください。

もうひとつ、集合住宅の駐輪場は子ども乗せ自転車が入らない、あるいはラックの上段に載せられないという相談がよくあります。前後にシートを付けた状態の全長と重量で入るかどうか、契約前に見ておくと安心です。

勧められがちだけれど、優先度は高くないもの

  • 名前スタンプのフルセット:実際によく使うのはフルネームの中サイズと、おむつ用の大きめの2〜3個です。まず少数で始めて、足りない書体を足すほうが無駄がありません。
  • 凝った通園バッグ:園指定がある場合や、ロッカーの寸法に合わないと使えない場合があります。しおり待ちが正解です。
  • フード付き・ひも付きの服:安全上の理由で禁止している園が多く、買っても登園に使えません。スカートやつなぎ、裏起毛の厚手も不可としている園があります。
  • おむつの大量買い置き:サイズアップが早く、園でおむつ提供サービスを使える場合は在庫が余ります。
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準備品でいちばん時間を食うのは購入ではなく記名です。入園説明会から初日まで日が短い園も多いので、届いた順に名前を付けていくほうが、直前の徹夜を避けられます。

4月入園を軸に回る保活の一年と、保育料が切り替わる月

保育園は、欲しいときに申し込んで入るものではなく、年度という周期に強く縛られた仕組みです。しかも「入る時期」と「保育料が決まる時期」はずれています。この二つの暦を頭に入れておくと、育休をいつまで取るか、時短にするかフルタイムに戻すかといった判断の材料が、ずいぶん整理されます。

申込の山は、入園の半年前の秋にある

多くの自治体では、4月入園の一次申込の締切が前年の10月から12月ごろ、結果通知が1月から2月ごろです。二次募集はその後、空きが出た枠に対して行われます。つまり4月に復職したいなら、動き出すのは前年の夏です。見学の予約は秋に集中して取りにくくなるため、0歳児クラスを狙う場合は妊娠中から見学を受け付けている園を先に回る家庭も珍しくありません。

0歳の4月がいちばん枠が広い、その理由

年齢別の新規募集枠は、クラス定員から在園児の持ち上がりを引いた残りです。0歳児クラスは在園児がいないため、定員がそのまま募集枠になります。一方1歳児クラスは、0歳児クラスからそのまま上がってくる子がいるので、定員が増えた分しか新規に空きません。ここが「1歳4月がいちばん厳しい」と言われる構造的な理由です。育休を満期まで取りたい気持ちと、入りやすさは正面からぶつかります。どちらを取るかは家庭の事情次第ですが、少なくとも「1年待てば選択肢が広がる」ということは起きにくい、と理解しておくと判断がぶれません。

育休延長と入所保留通知の関係

育児休業給付の延長には、原則として保育所に入れなかったことを示す書類(入所保留通知など)が必要です。この仕組みが、延長を前提にした申込を生んでいた経緯があり、近年は申込書に「延長を希望する(入所を保留してよい)」という意思表示欄を設ける自治体が増えています。手続きの詳細は自治体ごとに異なるので、延長を考えている場合は申込前に窓口で最新の取り扱いを確認してください。

保育料が切り替わるのは4月ではなく9月

認可の保育料は住民税の所得割額をもとに決まりますが、その参照年度は年度の途中で入れ替わります。一般に4月から8月分は前々年、9月から翌年3月分は前年の課税内容が使われます。住民税の決定は6月ごろですから、昇給や働き方の変化が保育料に反映されるのは、早くてもその年の9月、場合によっては翌年度の9月です。この時差があるため、「復職して収入が増えた月から保育料が上がる」わけではありませんし、逆に時短に切り替えて収入が下がっても、下がるのはしばらく先です。9月に通知が届いて階層が動くことは、あらかじめ家計の予定に入れておくと驚きません。

控除は「種類」で効き方が違う

保育料の階層は住民税の所得割額を見ているので、所得控除にあたるもの——社会保険料控除、医療費控除、小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)——は課税所得を下げ、結果として所得割額も下げる方向に働きます。一方、ふるさと納税による寄附金税額控除や、住宅ローン控除(住宅借入金等特別税額控除)は税額から直接差し引く仕組みで、保育料の算定にはこれらを適用する前の所得割額を用いる、という取り扱いをしている自治体が多くあります。節税として同じように見えても、保育料への効き方は同じではない、ということです。自治体の入園案内には算定に用いる所得割額の定義が書かれていますから、そこを読むのが確実です。

年度替わりで静かに条件が外れるもの

多子軽減のカウントは、上の子が何歳か、あるいは在園しているかという条件に紐づいています。上の子が就学するなど条件から外れると、下の子の負担は年度替わりで一段上がります。無償化についても、開始は「満3歳になった後の最初の4月」からが基本です(幼稚園は満3歳の誕生日からという扱いがあります)。同じ学年でも、4月生まれと3月生まれでは無償化までに保育料を負担する期間が1年近く違う、ということになります。第2子以降を考えるうえでも、この学年区切りは効いてきます。

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認可外に在園していることを加点対象にしている自治体は多く、つなぎとして認可外に通いながら認可を待つ戦略は理にかなっています。ただしその期間は、認可外の保育料と準備品の負担が先行します。何か月続ける想定なのかを決めてから始めるほうが、途中で判断が揺れません。

よくある質問

結局、認可と認可外はどちらを選べばいいですか?

費用だけなら所得連動で抑えやすい認可が有利なことが多いですが、入れるかは選考次第です。認可外は保育料が高めな反面、夜間・休日・少人数制など独自の強みがあり、自治体の補助で差が縮まることも。場所・時間帯・保育方針・安全面を含めて総合的に比べ、子どもと家庭に合う施設を選ぶのが本筋です。「認可一択」で考えず、認証や企業主導型も含めて並べて検討すると、落選時にも慌てずに済みます。

同じ年収の友達と保育料が違うのはなぜ?

認可の保育料は年収そのものではなく住民税所得割額を物差しにし、その額を国の上限内で各自治体が独自に階層表へ落とし込むためです。住む街が違えば階層の刻みも金額も変わりますし、同じ街でも控除の使い方で住民税額が前後すれば段が変わります。だから年収が近くても月額に差が出ます。自分の額を知るには、お住まいの自治体の「保育料徴収基準額表」で住民税額がどの段に入るかを確認するのが確実です。

無償化なのに、なぜお金がかかるのですか?

無償化が効くのは「保育料」という一項目だけだからです。3〜5歳は保育料が原則ゼロになりますが、給食の副食費・行事費・教材費・制服代・通園バス代・延長保育料などは対象外で実費が残ります。年中・年長は遠足や卒園関連の費用も加わるため、月謝0円でも出費が増えたように感じることがあります。何が無償で何が実費かは施設で内訳をもらうと整理しやすくなります。詳細は自治体や内閣府の公式情報をご確認ください。

0〜2歳の保育料が高いと聞きますが、安くする方法は?

0〜2歳は無償化の対象外なので所得連動の保育料がそのままかかりますが、効きやすいのが多子軽減です。同時期にきょうだいが在園していれば第2子半額・第3子以降無料といった軽減が入る自治体が多く、対象範囲は要確認です。住民税非課税世帯は0〜2歳でも無料になります。認可外を使う場合は自治体の補助制度の有無も合わせて確認を。具体的な軽減条件はお住まいの自治体窓口でご確認ください。

入園選考で不承諾(保留)になったらどうすれば?

まず多くの自治体でキャンセル待ち(補欠)の申込ができ、年度途中の空きで入れることがあります。並行して認可外・企業主導型・認証保育所(東京)など別の受け皿を探すのが現実的です。認可外を一度利用すると翌年の調整指数が上がる自治体もあり、育休を延長できるか勤務先に相談する手もあります。指数は就労状況やきょうだいの在園で変わるため、不承諾通知が届いたらすぐ自治体に次の一手を相談しましょう。

保育料が9月に変わったのですが、なぜですか?

認可の保育料は前年の所得で決まる住民税額を基にしており、その年度の住民税が確定するのが例年9月だからです。多くの自治体で9月に保育料が切り替わり、年度の前半と後半で月額が変わることがあります。収入が増えた翌年は上がり、減った翌年は下がる、という一年遅れの動きになるのが特徴です。家計の見通しを立てるときは「9月で変わるかもしれない」と織り込んでおくと安心です。

「保育の必要性」はどうすれば認定されますか?

認可を利用するには、保護者が保育を必要とする状態だと自治体に認定してもらう必要があります。主な事由は就労(フル・パート)・妊娠出産・疾病・障害・介護・求職活動・就学など。就労なら勤務先の就労証明書を提出します。求職中や育休中でも条件を満たせば認定される場合がありますが、在園できる期間や継続条件は自治体差があります。何時間以上の就労が必要かなどの基準も含め、窓口で自分の状況を説明して確認するのが確実です。

認可外の安全性や保育の質はどう見極めますか?

都道府県に届け出て運営する認可外は、定期的な立入検査(指導監督基準の確認)を受けています。自治体のサイトや窓口で「届出のある施設一覧」「指導監督基準を満たす施設」を確認できることが多いので、まずそこを起点に。そのうえで見学に行き、保育士の様子・子どもたちの雰囲気・衛生状態・安全対策を自分の目で確かめましょう。気になる点は遠慮なく質問を。料金の透明性や説明の丁寧さも、運営姿勢を測る手がかりになります。

育休を延長したいのですが、申し込んで内定が出てしまったら辞退できますか

辞退そのものは可能ですが、自治体によっては次回申込での取り扱いに影響する場合があります。近年は申込書に「入所を保留して延長を希望する」旨の欄を設ける自治体が増えており、その欄を使えば内定を受けずに保留通知を受け取れます。延長を前提にするなら、申込前に窓口で今年度の取り扱いを確認しておくのが確実です。

年度の途中で他の市区町村へ引っ越す予定です。今の園には通い続けられますか

住所地の自治体が変わっても、園と双方の自治体が認めれば広域入所(管外委託)として通い続けられる場合があります。ただし枠に空きがあることが前提で、転出先で新たに認定を受け直す手続きも必要です。保育料は原則として住んでいる自治体の基準で計算されるため、階層が変わることもあります。引っ越しが決まった時点で、両方の自治体に早めに相談してください。

祖父母と同居していますが、祖父母の収入も保育料に影響しますか

原則は保護者(父母)の市町村民税所得割額の合計で判定します。ただし父母の収入が著しく低く、生計を維持している人が別にいると判断される場合には、同居の祖父母を家計の主宰者として算定に含める取り扱いをする自治体があります。世帯分離しているかどうかだけで決まるわけではないので、該当しそうなときは入園案内の該当箇所を確認しましょう。

慣らし保育の間は働けません。復職日はいつに設定すればよいですか

慣らし保育の日数は園の裁量が大きく、1週間ほどの園から、2〜4週間かけて時間を延ばしていく園まであります。内定後すぐに園へ標準的な日数と初日のお迎え時刻を確認し、その後に会社と復職日を詰める順番が安全です。自治体によっては入園月内の復職を求められるため、慣らし期間と就労開始の締切の両方を見て決めてください。

第2子の産休・育休に入ると、上の子は退園になりますか

育児休業中も継続利用を認める自治体が多く、その場合は保育の必要性が「育児休業」に変わります。ただし保育短時間認定に切り替わったり、上の子の年齢やクラスによって取り扱いが分かれたりします。継続の可否と条件は自治体ごとに違うので、妊娠が分かった段階で窓口に確認し、必要なら認定変更の届出を出しておくと安心です。

きょうだいが別々の園になってしまいました。同じ園にまとめられますか

転園の申込はできますが、新規申込と同じ選考の列に並ぶことになり、空きが出るまで動けません。多くの自治体では、きょうだいが在園している園を希望する場合に加点があるため、転園希望を出し続ける価値はあります。一方で、転園すると認可外在園などの加点が外れるケースもあるため、申込前に自分の指数の内訳を確認しておきましょう。

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